太陽光発電システムの導入を考えておられる方は、まず、「ペイするのかな」というところが気になると思います。
実際には、色んなパラメータを考えていかないといけませんし、それぞれについての理解もある程度必要になります。
もちろん、このサイトではそういうややこしそうなことを簡単に説明していきます。
そこで、まず、ペイするかどうかの基本が、前回まで説明してきた売電と買電です。
前回の例を使って、ごくごく簡単なシミュレーションをしてみましょう。
売電価格:24円
買電価格:24円(昼間)/17円(夜間)
【ケース1】
1日に15kWの電力が太陽光発電システムから得られたとします。
昼間に15kWの電力を消費して、日が沈むと同時に寝てしまいました(夜間の消費電力はゼロ)。
『太陽光発電システムは電気を貯めない』の回で説明した通り、システムから得られた電力はリアルタイムでしか使えませんので、この場合は得た分を使っただけ、となり、売電も買電も発生しません。
つまり、売電価格や買電価格がいくらであろうと関係のない結果、となります。
まあ、現実にはこういうことはないですけどね。
【ケース2】
1日に15kWの電力が太陽光発電システムから得られたとします。
昼間に5kWの電力を消費して、日没後、夜間に10kWの電力を消費しました。
得た電力=使用した電力ですので、一見、差し引きゼロに見えますが、ここが勘違いしやすいところです。
昼間は、
得た電力(15kW)−使った電力(5kW)=余った電力(10kW)
と、なります。
この余った電力を売ることになりますので、
10kW X 24円 = 240円
が売電によって稼いだ金額となります。
夜間は得た電力は0kWで、消費した電力が10kWですので、この分を電力会社から買わなければなりません。
10kW X 17円 = 170円
となります。
この一日のトータルは、240円−170円=70円の儲け、という結果になりました。
実際には、例えば昼間に途中から雨が降ったので、昼間の買電価格24円で数時間分の電力を買った場合・・・なんてことになるとまた結果が変わってきます。
そうなると、とてもややこしい話になりますので、実はこの部分のシミュレーションは過去の平均日照時間を用いて計算することになります。
ですが、売電と買電の考え方について理解していただくために、今回は簡単なシミュレーションをしてみました。